- 作者: 高橋正樹
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2008/09/26
- メディア: 新書
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後半は、世界規模の気候変動を引き起こす「スーパーボルケーノ」の話。1000立方キロ超レベルの噴出物を出し、大陸レベルで火山灰をバラまき、世界の気候をも寒冷化させる超巨大噴火。アメリカのイエローストーンとロングバレーの両カルデラ、インドネシアのトバカルデラなどが紹介されている。タンボラ火山の1815年噴火では、同年夏が来なかったことを指摘して、超巨大噴火では数年間の寒冷化の可能性が指摘されている。確かに、インドネシアからマレーシアを覆い尽くすような巨大な噴火が起きれば、日本はエネルギー輸送が止まり、食料生産の停止で飢える可能性が高い。そのような事態にどう備えるか。災害の規模が巨大すぎて、なすすべがないような感じだが。あと、生態系に破局的気な影響を与えるというが、この噴火で大量絶滅が起きたとも聞かないし、そのあたりはどうなんだろうな。
以下、メモ:
最後の噴火(超巨大噴火や破局噴火)からの経過時間が長いほど、またカルデラ内火山の火口配列が環状か不規則であればあるほど、そしてカルデラ内火山噴出物の化学組成が珪長質であるほど、新たな超巨大噴火、もしくは破局噴火を起こす危険性が増すことになる。
こうした観点でみると、いちばん危険性の高そうなのが屈斜路カルデラ、次に可能性がありそうなのが阿多カルデラと洞爺カルデラとなる。
可能性が低そうなのが支笏カルデラ、十和田カルデラ、阿蘇カルデラ、、鬼界カルデラである。姶良カルデラはどちらともいいにくい。また小説『死都日本』の舞台となった加久藤(霧島)カルデラはひょっとするとダークホースかもしれない。
ただし、この分析は、いくつかの基準のみに従って、大規模カルデラ火山の危険性を検討してみた結果であって、あくまでひとつの「見方」を示したにすぎない。
残念ながら、現在の火山学は、これ以上のことを科学的にいえる段階にまで至っておらず、このあたりが限界である。したがって、もしかすると、可能性がい低いと判断したカルデラ火山から、超巨大噴火を含む破局噴火を生ずることがあるかもしれない。
せめて、とりあえずは、大規模カルデラ火山の地下構造の精密物理探査くらいは実施して、どの程度の量のマグマが溜まっているのかを推定しておくことが望まれる。p.101-2
うーむ。失礼ながら、火山学ってあんまり進んでないのだなという印象。