アピタル_感染症は国境を越えて/高山義浩_被災地に見る美談と醜聞の合わせ鏡

https://aspara.asahi.com/blog/border/entry/ODqwfH5W9l 発展途上国では、早々に指揮管理が国際機関に移行し、二次健康被害予防のための調査が早い段階でおこなわれる。これに対し、危機管理が中途半端な先進国では、被災して機能が低下した自治体が災害対応の最前線に立たされているという状況。その結果、後手後手に回り、弱者が放置される状況になる。

国家的な対策本部が主導し、住民の窓口を設置し、給水、衛生、食糧援助、避難所の運用から、仮設住宅の建設まで統合的に計画運用すべきだったんです。

と指摘している。全くその通りで、アメリカではこういう時のためにFEMAという上級調整組織が存在する。まあ、ハリケーンカトリーナの時にはうまく機能しなくて、人間が作る組織の限界というのをあからさまにしたわけだが。
 阪神大震災の後に、こういう組織が必要だという議論はなされていたんだけど、その後の16年間で全く忘れ去られてしまっていたな。今度こそ、そのような被災した自治体をカバーする国家組織の設置が行われるべきだと思う。


 あと、被災後一月たっても、避難所で配られる食料がパンとおにぎりというのは、そもそも復興の気力を奪ってしまうよなあ。炊き出しか、どこかから運ぶかはともかく、早い段階で副食を含むちゃんとした食事を出せるようにする体制が必要があるだろう。