「〈文化変調〉第6部・ガラパゴスの先へ」『朝日新聞』2011/1

〈文化変調〉第6部・ガラパゴスの先へ (1)進化と深化
〈文化変調〉第6部・ガラパゴスの先へ (2)平明と透明
〈文化変調〉第6部・ガラパゴスの先へ (3)機械と異界
〈文化変調〉第6部・ガラパゴスの先へ (4)精緻と幼稚
〈文化変調〉第6部・ガラパゴスの先へ (5)内向と親交
〈文化変調〉第6部・ガラパゴスの先へ (6)識者に聞く


 メモ。現代文化の現状をレポートしている。芸術から大衆文化まで。
 連載五回目の「内向と親交」はネットでの関係について論じているが、なんか論旨がねじれているような。アメリカのフェイスブックが、むしろ徹底的に世間と一体化した存在なのに対し、日本のネット空間は世間との一体化を拒んでいるのが特徴なのではないかと感じる。講的な結合が優越するのが特色なのではないだろうか。
 あと、四回目のゴテゴテしたデコレーションの世界。確かに、そういう「過剰」な表現の系譜とわびさび的なシンプルな造形の系譜の二つの流れがあるよな。むしろ「わびさび」というのが、前者に対するアンチテーゼとして出てきたようにもみえるが。あと、こういう二つの流れはヨーロッパにもバロック対古典主義みたいな形で存在するように思う。美術史はよく分からんけど。