『猫撫ディストーション』コンプリート

猫撫ディストーション

猫撫ディストーション

 むー、結局三週間かかったわけか…
 なんとも感想の書きにくい作品。様々な世界が重層的に重なり、何が本当か分からなくなるような世界。量子力学ネタでハッタリきかせて、読者を混乱させる。こういうの大好き。ただ、エロシーンがだるかった。あと、家族を選、観るということと、エッチすることの間に整合性がとれていないような気がする。あと、幾つかのルートで、結局みんな消えちゃう話の作りも疑問が。
 個別ルートに関連しては、最初に電卓が設定した選択肢として、まったく変化しないことで永遠をえる(イメージとしては石となる)結衣ルート、群体として変化しつつ全体として存続することで永遠をえる(イメージは森)式子ルート、「量子的存在」としての琴子。どれぞれなんというか、ゴリッとした読後感があるな。結衣ルートにしろ、式子ルートにしろ、なんか怖い感じが。人間と永遠は相性が悪いのか。琴子ルートは結局なにがどうなったのって感じが。で、予定外の存在であるギズモが、全てを失った後の「奇跡」。柚ルートが、「現実」に立ち返るといったところか。
 柚に苗字が設定されていないところも含め、柚ルートが一番違和感があるように作られているのもおもしろい。別に、苦痛をなかったことにしてもいいんじゃないのって感じなんだが。あと、式子ルートが個別ルートに入ってからやたらと長かった。
 まあ、結論としてはギズモかわいいにゃ、ってことで。