イギリス暴動の裏にある鬱屈と絶望について

anond.hatelabo.jp
 うーん、ここで言われている貧困層への批判が、19世紀あたりの労働者階級批判と大して変わらないのが気になる。そもそも1980年代のサッチャリズムによる労働者階級の職業環境の破壊とその後のまずい制度設計が根本にありそうだが。こういうのは階級文化も考えて、対策を考える必要があるのではなかろうか。上流階級の方が穏健というのは、ブルデューあたりの議論を知識として持っているからだろうな。
 少なくとも、報復政策は益がないと思うけどね。スクウォッターの激増と強盗や窃盗の激増って未来しか見えないし。で、それの対応として世界に冠たる監視国家イギリスはさらに監視カメラが増加し、国民は一挙一投足を監視されると。
 あと、イギリスの税金は高いというのも疑問。確かに消費税20パーセントは高い。一方で、所得税550万円以下が20%、それ以上は40%というのは、税率としては日本と対して変わらないのだが。特徴としては、比較的低所得の層に重い、富裕層の税負担が小さいと言ったところか。あと、福祉が手厚いかどうかも多少疑問が。金銭の給付はともかくとして、教育関連がものすごい手薄に見える。


関連:裕福な家庭の子が進学で有利 後で読む。
東京大学入学者の70%以上が上層ノンマニュアルの子弟
http://anond.hatelabo.jp/20071205042357
 名誉白人 in UK岩田正美『現代の貧困』、および「前衛」07年7月号
BROKEN BRITAIN/その先にあるもの。
イギリス暴動はほんとに「鬱屈と絶望」で起きたの?

dongfang99 ワークフェアの理念が、こうした現実に基づいていることは銘記すべき。しかし、よく読むと手厚い福祉が引き起こす矛盾というよりは、育児・教育の公的支援の不足の問題と理解できるような気も。 2011/08/16 17
http://b.hatena.ne.jp/dongfang99/20110816#bookmark-55149454

BUNTEN 国外, インセンティブ設計 こうやって福祉が悪者にされていく日本。▼あえて言っておく。俺みたいなダメ人間でも誇りある仕事が得られる社会こそが最も安定するのだと。食えればいいってもんじゃない。誇りを持って食えなくてはならんのだ。 2011/08/16
http://b.hatena.ne.jp/BUNTEN/20110816#bookmark-55149454

 発達障害の立場から言えば、まったくの同感。そしてそのような支援には、莫大な人的コストがかかる。