古橋秀之『冬の巨人』

冬の巨人 (徳間デュアル文庫)

冬の巨人 (徳間デュアル文庫)

 何年か塩漬けになっていた本。ふと思い立って。
 うーん、なんか肩すかしをくらった気分。なんか主人公の動きとあまり関係なく、話が進んでいくのが、違和感の原因か。テーマとしては、古橋流ジブリといった感じなのかね。ラピュタ+もののけ姫みたいな。
 永遠の冬の世界を歩き続ける巨人。その背中に乗る人類の都市=世界。老いた巨人は、最早歩く力を失い、世界は崩壊する。その中で、主人公は、雲の上で不思議な少女と遭遇する。彼女が倒れた巨人を甦らせ…
 最後の「冬の果て」、巨人の再生と春の到来のイメージはきれいだけど、他はなあ。結局、主人公とレーナが一緒にいながら、交流が見えないのが違和感の原因なんだろうか。こう、もう少し、説得力のある物語が書けたんじゃないかなあと思う。