菅浩江『末枯れの花守り』

末枯れの花守り (角川文庫)

末枯れの花守り (角川文庫)

 十年近く塩漬けになっていた積本を撃破。
 永遠を餌に人の心を閉じ込めて愛玩する常世姫と永代姫。滅びもなければならないとして、それに対抗して人々を守ろうとする日照間とその家臣青葉時実の争い。なんと言うか、「幽玄」といった雰囲気だろうか。
 第三話の高慢な女優の卵や第五話のお婆さんが印象的だった。永遠と有限の間で揺れる人間の心。