ユーザーと作者(クリエーター)の間にいた人たちの居場所が本格的になくなってきた件 - うつせみ日記 (Utsusemi Nikki)

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 仲介者が金を稼ぎにくくなっているのは確かなんだけれど、それを無邪気に良いことだとは思えないな。出版なんかの中の人の言説を見ると。
 少なくとも、なんらかの作品が出てくるまでに、リスク負担やプロデュースのさまざまな業務があるわけで。例えば、出版なら、印税として最初に刷り部数だけのお金を著者は受け取っていて、売れ残りリスクを負担しなくて済んでいるわけで。他にも、企画の検討、締め切りを守らせる、校正、宣伝、組版などなど、仕事は大量にある。それを全部著者が負担すると言うのは難しいのではなかろうか。それこそ、赤松健のようなセルフプロデュースにたけた人は少数派であるということは覚えておくべきだ。
 紙媒体の本に関していえば、産直の最たるものである同人誌が「薄い本」というように、クオリティの面では商業出版には及んでいない現実もある。しかも、同人誌市場には、同人誌書店という新たな仲介者も出現している。ついでに言うと、オリジナル同人誌の市場規模は非常に小さい。ユーザーとクリエイターを結ぶのは簡単ではない。
 さまざまな経路が出現するということ自体は歓迎できるのだが。