- 作者: デビッド・マコーレイ,David Macaulay,飯田喜四郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1979/03/09
- メディア: 大型本
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舞台となったシュトロー市は、アミアン、ルーアン、ボーヴェが近くと言うことで、フランスの北端、英仏海峡の沿岸地域に当るのだろうな。計画から完成までに86年というのは、この手の大聖堂の建設期間としてはかなり短いのではないだろうか。興味深く感じたのが、作中での街並みの変化。最初は藁ぶきの家ばかりだったのが、完成することには板葺きか瓦ぶきの鱗状の屋根の家に変わっているのが興味深かった。ただ、石造りの建物が大聖堂以外に見当たらないのは、ちょっと疑問。司教の直接支配下にあっても、大商人や騎士から成る都市貴族層はある程度大きな屋敷をもっていたのではないだろうか。あと、市庁舎の類も見あたらないし。まあ、大聖堂を目立たせるための演出なんだろうけど。ラストなんか、スケール無視だろと思ったくらいだし。
巻末の解説が、本文を見ていまいち腑に落ちなかったところを補ってくれて、良かった。