大阪はなぜ衰退したか? - Togetter

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 うーん、こういう話をするなら、世界システム論的な中心と周縁といった観点や産業の推移といった視点は必要だと思うが。これでは大阪のここが嫌い大会じゃね。むしろ、人の行き来が激しいから、「信用」創出の観点で、身内が重視されるのかもしれない。
 もともとの大阪の経済基盤は日本全国の流通機能、港湾、大衆向け低級品の分業生産あたりだったわけだが、近代以後の中央集権化で日本全国の経済中枢という機能は東京にすこしづつ奪われる。港湾もコンテナ化でかつてとは全く違う形態に変化した。低価格向けの分業生産は人件費の問題から中国に持って行かれる。衰退しないわけがない。
 熊本で大阪の近代の工業を調べるのは、なかなか資料へのアクセスができなくて難しいが、自転車関係で読みかじった範囲では、もともとの商家にしても、町工場にしても、むしろ血縁やごく近い範囲の知り合いでリクルートも仕事の融通も行っていたようだ。ヨーロッパでも、そういう個人商店的な企業ってのは結構根強いものがある。イタリアに軽工業関係の中小企業が多いというのは、そういう人間の組織の仕方に関連するのかもな。歴史的に言えば、そちらの方が「正常」なんじゃなかろうか。むしろ、個人的には官僚制的な大企業というものが、どうやって形成されたのか。そっちが不思議な感じがするのだが。
 比較するなら、ヨーロッパの港湾・工業都市あたりが適当だろうな。リバプールあたりと同じ問題に突き当たってもがいているのが、大阪の現状ではないかと思う。あと、シンガポールのような独裁都市国家の話を日本に持ってくるような議論はいい加減にしてほしい。