野尻抱介『ふわふわの泉』

ふわふわの泉 (ファミ通文庫)

ふわふわの泉 (ファミ通文庫)

 ラノベの整理の途中でふと手にとって、そのまま止まらなくなった。
 偶然から中心部が真空の立方晶窒化炭素、「ふわふわ」を生成。空気よりも軽い「ふわふわ」で飛行船を作る。それを使ったどこにも所属しないコミューンの出現、自由の場を求めて宇宙への進出を目指す、群体的知性の異星人との遭遇などなど。あっさりとだが、野尻SFのエッセンスは全部詰まっているような作品だなあ。テクノロジーが社会を変えるとか、どこまでもフロンティアを突撃していくとか。
 実際に、こういう急激なテクノロジーの発展が起きたら、社会は阿鼻叫喚になりそうだなあなどと考える口だが。