河北新報ニュース 焦点/震災遺構を考える(4完)/東北大大学院・五十嵐太郎教授に聞く

http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1071/20120522_01.htm

復興作業が本格化し、沿岸部で被災建物が減っている。
 「津波の痕跡が分からなくなることに、複雑な感情を抱いている。津波は街を奪ったが、建物が撤去されると街から生活の記憶も消える。結果的に街が二度失われるような気がしている」
建物の無残な姿は、被害の記憶を呼び起こすとの声が大きい。
 「被災者らの気持ちを考えれば、行政が公的施設などの撤去を急ぐのは分かる。ただ被災建物は今を生きる人々だけのものじゃない。これから生まれる子どもたちのことも考えてほしい」
 「三陸沿岸は過去100年間で何度も津波が押し寄せたが、震災前の石巻市や大船渡市を見ても街に津波の記憶は感じられなかった。『あなたの子孫にも津波の記憶のない街を残していいのか』という問いに住民が答えられるようになるまで、もっと時間が必要だろう」

行政には巨額の維持管理費を懸念し、保存を諦める向きもある。
 「最初から完璧な保存はいらない。10年、20年とそのままにしておき、『やっぱり残そう』となったときに初めて国などに支援を求めればいい」

 ぶっちゃけ、廃墟なんだから、保存処置も必要ないんじゃねって気も。ゆっくりと朽ちて行っていいんじゃね。最低限の保存処理で十分でしょ。