なぜネットだけは“特別扱い”なのか 違法ダウンロード刑罰化を巡る非常識|岸博幸のクリエイティブ国富論|ダイヤモンド・オンライン

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 そもそも情報の流通の歴史からすると、メディアと固着して物として売買できるという状況がむしろ例外的な事例なんだけどな。そのような、メディアとの固着を前提として構想されている「著作権」という概念そのものが、歪なんだよ。それが、ネットの普及という状況の前に顕在化しているだけ。ネットが特別なんじゃなくて、今までのメディア販売という形が特別だったんだよ。
 まあ、CDが売れまくっていた90年代にも、実際には情報の自由な流通が重要だったんじゃないかね。当時のヒット曲はテレビを見ない人間でも、どこかで自然に耳に入って来ていたけど、最近は全然、流れていないよね。欲張って、店舗でのBGMから金を取ろうとしたり、演奏から金を取ろうとしたり、そういうのが音楽文化をやせ細らせた。その結果なんじゃないかと思っている。
 囲い込んで、後生大事に聞かせない、音のデータなんぞに価値はないんだけどな。実際には、人は体験とか、感動とか、人間関係のインフラに金を払っているんじゃないかね。


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 実際、不況の影響は大きそうだな。あとは、カラオケが人間関係のためのインフラでなくなって、今やその地位に携帯電話が座っているというのが大きいと思う。