音楽業界はなぜ縮小したか? - ハックルベリーに会いに行く

http://d.hatena.ne.jp/aureliano/20120623/1340426744 真っ当かつ冷酷な指摘。いくら「いい音楽」を創ったからと言って、どうにもならんよって話だから。
 音楽そのものよりも、そこから派生する様々な価値に金を出していた。音楽そのものの「価値」に金を(少なくとも1000円以上の)出していた人は少なかったのではないだろうか。そういう点で、参議院の審議などで、刑事罰導入派の弁護士が言っていた、「魅力的な商品を創る」ってのは、かなり的外れな意見。

ぼくは基本的には音楽の「芸術性」と「ビジネス性」との間には相関性はあまりないと思っている。言うまでもなく、売れる音楽、儲かる音楽には、音楽以外の要素がいくつも必要で、上記のように「生活必需品性」であったり「情報性」であったり「ファッション性」といったものが失われたからこそ、音楽業界は縮小したのだと思っている。

 今現在、CDの売り上げを支えているAKBやジャニーズ、KPOP、アニソン、どれをとっても純粋に音楽を楽しむというよりは、ファンであることを証明する、あるいは盛り上がりに乗るためツールといった性格が強い。
 結局のところ、他の何かと結びついて「文化」を形成しなければ、「音楽産業」なんて成り立たない。そこを履き違えて、著作権でガチガチに規制して言っているのが間違いなんじゃなかろうか。「創作者への敬意」が必要であると、自分たちで言い出したあたりで、何か履き違えているのではないか(創作者への敬意そのものは必要だと思っています、念のため)。
 ついでに言うと、人間関係のインフラ機能は携帯に持ってかれたから、そういう意味で、音楽業界の逆転の芽はないんじゃなかろうか。


 そもそも、動画配信やらなにやらで、音楽に接しやすくなって、逆にCDやら何やらを買う量は増えているんだよな。ダウンロードもやってるけど。そう考えると、刑事罰による締め付けは、自殺行為だと思うんだけど。まあ、どうでもいいや。いい大人が、誰に強制されたわけでもなく、選んだ道なんだから、それで死屍累々になっても、自己責任だよね。