庄司卓『それゆけ!宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ【完全版】 11』

 完結編にしてはやけに薄くて安いなと思ったら、一冊に収まらなかったそうで。そういうことになったか。
 いよいよ佳境に入るところ。銀河系各所で人為的な超新星化が進展、さらに「アイアンフィスト」という黒色矮星が、TERRAの艦隊司令部に急激に接近する。オールドタイマーの銀河帰還が現実味を帯びてくる状況で、アイアンフィストの調査権をかけた戦いが行われる。そこにフーリガー駆るネプチューンが無双する展開。この間、洋子とTA-29は、システムへの何者かの介入で、戦いに出られない状況。ここ15年ほど、軟禁状態だったフーリガーが、久しぶりに戦闘に復帰、大活躍といったところ終了。フーリガーとネプチューンが、アイアンフィストと接触することによって、何が起きるのだろうか。
 本書では、「カルダシェフの宇宙文明分類」が、改変されて利用されている。惑星、恒星、銀河と同量のエネルギーで「通信」するという段階わけがされている。しかし、銀河系一つ分のエネルギーを使って、通信するってのも凄まじいな。なんか壮大な無駄ってな感じがする。