スティーヴン・J・ザロガ『日本の戦車1939-1945:オスプレイ・ミリタリー・シリーズ』

日本の戦車1939‐1945 (オスプレイ・ミリタリー・シリーズ 世界の戦車イラストレイテッド)

日本の戦車1939‐1945 (オスプレイ・ミリタリー・シリーズ 世界の戦車イラストレイテッド)

 太平洋戦争期の日本の戦車を簡単にまとめた書物。サクサクと読めて、悪くはないと思う。ただ、このクラスの内容で、この値段なら、他にも良い本はたくさんありそう。
 車両の紹介に、実戦での戦いに紹介なのだが、50ページもない書物だけに、さらっと全部流されている感じ。戦車開発の歴史の流れをおさらいするにはいいかも。
 1940年あたりまでは、日本の戦車もそう世界水準から劣ったものではないし、戦術もそれなりのものだったと評価できそう。東南アジアでの緒戦における、日本軍の戦車とその戦いに関しては、意外なほど高評価。
 そこから、3年ほどリソースが割かれないうちに、ものすごく時代遅れになっているというのが、日本軍戦車隊の悲劇だったわけだけど。バズーカで次々破壊されているようでは、話にならないというか。最後に紹介される中国共産党軍の主力を占めたチハ改も興味深い。