『歴史群像太平洋戦史シリーズvol.68:米陸軍戦闘機』

 第二次世界大戦中の米陸軍航空隊の主要な戦闘機を現存する実機の写真解説と設計の経緯、構造、戦果などにまとめている。他に大戦前、夜戦、試作機、レンドリース・逆レンドリース機などをまとめて紹介した章がある。実機の細かいディテールやなぜその機種が開発されたかなどがきっちりと説明されて、非常にわかりやすい。
 しかし、実機を見ると、P-39エアコブラとアリソンムスタングがかっこいいな。あと、航空機の評価も興味深い。日本機相手のは結構強かったP-40。高空性能が劣るため米軍では使い物にならないと烙印を押されたが、ソ連での活躍など低空高速戦闘機としての素性は良かったP-39。複雑な構造から生産性や整備性に劣り充分な量が供給されなかったが、他に機種の補佐を受けて、過大な評価を受けるに行ったったP-38。必要な時に必要な量が供給された「間に合った兵器」であるP-47。へろへろの枢軸国空軍をボコボコにしたP-51。しかしまあ、やはり日本軍機は性能が低かったのだな。で、ドイツの方が強かったと。しかし、P-39の敬意を見ると、発注側のせいで迷走する事例って結構多いんだな。
 あと、第二部のまとめて紹介される飛行機も興味深いな。夜間戦闘機が結局、物になっていないとか。あと、最近、大戦直前の複葉から単葉への過渡期の戦闘機がわりと好きになっている。大戦前のP-26やP-35あたりも結構いいな。