トニー・ホームズ『スピットファイアvsBf109E:英国本土防空戦』

スピットファイアvs Bf 109E英国本土防空戦 (オスプレイ“対決”シリーズ)

スピットファイアvs Bf 109E英国本土防空戦 (オスプレイ“対決”シリーズ)

 バトル・オブ・ブリテンで相まみえたスピットファイアMk.1/2とメッサーシュミットBf-109Eの比較の本。開発の経緯や技術的特徴、戦闘の推移、パイロットと戦術などが簡潔にまとめられている。その性格上、バトル・オブ・ブリテンの状況そのものはほとんど描かれないが。
 両者が大よそ互角の性能であったこと。イギリス側はレーダーシステムの支援を受けていたが、緊密な編隊行動という旧式の戦術で苦しんだこと。逆に、ドイツ側はロッテ戦術による戦術的な優位を初期には享受したこと。一方で航続距離の限界に苦しみ、最後は爆撃機に貼り付け護衛を強いられ、損害が増したこと。
 統計データからも、大よそ両者は互角に戦ったと言えそう。しかし、撃墜数が昇進に影響したというドイツ側の撃墜データって、どこまで信用できるんだろうか。ガーランドやメルダースといった大エースも、本当のところ何機落としたんだろうな。