- 作者: 飯山幸伸
- 出版社/メーカー: 光人社
- 発売日: 2004/05/01
- メディア: 文庫
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この本では、第二次世界大戦期の変わった形の飛行機を紹介している。大量に紹介されているので前の方は忘れかぶっているような… しかしまあ、大戦末期のドイツの断末魔の決戦兵器開発は、魅力的であると同時に、悲惨極まるな。ロケット戦闘機コメートなんかも、ロケットエンジンの事故の被害の方が、戦果よりよっぽど大きかったというし。あと、戦局がやばくなると、自爆特攻を考えるのは、ソ連やドイツも同様だったのか。
紹介されるのは超巨大機、可変機、双胴機、非対称機、無尾翼機、全翼機、前進翼機、推進式、ピストンエンジンの結合、ピストンエンジン・ロケット・ジェットの動力を組み合わせ、垂直離着陸、グライダー、ヘリコプター、無人機、親子機など。第二次世界大戦の頃の技術では実現不能だったが、現在では普通に使われているような形態も多数ある。あと、ピストンエンジンとジェットエンジンを組み合わせたり、ピストンエンジン機を無理矢理ジェットエンジンに換装する、ジェット黎明期の試行錯誤も興味深い。
しかし、ドイツは戦略爆撃機をおとすためにいろいろと試作機を作っているけど、ロケットのミサイルを打ち上げて、時限信管か、指令誘導で爆発させるくらいがリーズナブルだったんじゃなかろうか。レーダーで大体の位置は予想できるだろうし。
とりあえず、フライングパンケーキがなんか愛らしくていいな。プラモもあるのか→XF5U (航空機) - Wikipedia
この前段階の試作機、ヴォートV-173の方が好きかな。実際に飛んだこともあるそうだが、実際のところ、どういう飛び方をしたのだろうか。
メモ:
TDR-1はソロモン諸島北部やラバウルでの日本軍との戦いに投入され、輸送船団の攻撃や基地襲撃に用いられたと記録されているが、船団攻撃の際は十一キロも離れたところでTBMがTDRを誘導していたという。一九四四年九月二十七日から十月二十六日にかけては、対空防御が弱体化していたブーゲンビルやラバウルの日本軍基地を襲ったとされるが、出撃した四十六機のTDRのうち目標に突入したのは三十四機(故障および電波障害で攻撃断念は九機)だったというのだから任務達成能力はかなり高率だった。p.389
アメリカ軍が生産した無線誘導の無人機。それなりの規模で実戦に投入されていたというのも興味深い。しかし、11キロの距離で操作というのは、制空権がなければ使い物にならなかっただろうな。空母攻撃用には難しそう。スタンドオフ兵器には、まだ遠いと。
A2003183.html - WarBirds
TDR-1 Americas Secret Cruise Missile
TDN-1 (航空機)