「三本松堰改修記念碑」

 白川の堤防上を走っていたら、下に見えたのでチェック。最近は堤防の上を走るってことも少ないので、幸運だったな。碑文によれば関係者の名簿があるようだが、裏面のチェックは忘れていたな。




碑本体

三本松堰改修記念碑
  熊本県知事 細川護煕



右碑文

  碑文
 三本松堰の由来についての 古文書等の記録は
少なく 今回の上井手堰改修に際して 何等かの
手掛りとなるような、碑文等の出土を期待したが
何も発見できなかった。ただ古老の言い伝えによる
と清正公の治水工事によって築かれたものと、聞き
及んでいる。
 旧堰は 所謂亀堰で角落し部は堰頂より一米程
低く長さ十六米程であった。取水時には三本の石柱
に木枠を嵌め込み、これに厚板を詰め、流水を阻止
する仕組みであったが築造以来数百年に及ぶ
流水に破損酷く、堰としての効果は減退し、その為
用水時には毎年川築ぎを行う等、長年に亘り
灌漑水の不足に悩まされ、地域農民は塗炭の苦
しみを味わうことも少なくなかった
 以上の如き事情を県 市当局に陳情し、関係
機関の御理解と御尽力を得て、漸く昭和五十四年に
角落し堰の全面改修となり、次いで昭和六十一年に
頭首工の改修、更に昭和六十三年には自動転倒堰の
設置となった。頭首工前面には長さ九米の矢板
打ち込み、極力伏流水の流出を阻止したのでその後
は貯水量も増え、長い旱魃にも灌漑水の不足する
ことはなく、地域農民は安心して米作りに取組めるよ
うになった。
 思えば大正、昭和と改修前の旱魃には、歴史に残る
様々な出来事があったが、今は総べて過去のものと
なった。今回の総工費二億四千八百万円がけての大工事
の完成に依って、改良区民一同、関係者各位に対し、限
りない感謝の誠を捧げて、之を祝福すると共に、この
堰の永遠に恙無いことを祈り、本事業の推進の為
御尽力を戴いた関係各位の御氏名を銘記して、永く
記念するものである。
  平成二年三月吉日
   三本松土地改良区理事長 岩尾隆男