岩重多四郎『日本海軍小艦艇ビジュアルガイド:駆逐艦編:模型で再現第二次大戦の日本艦艇』

 第二次世界大戦に参加した日本駆逐艦の作例集。個々のディテールアップした作例を紹介するのではなく、多数の艦艇モデルをコレクションするという観点から考証を重視し、発売時期やメーカーの異なるキットのディテールを調整するという独特の観点から編集されている。
 シルエットの出来不出来などに言及されているが、ぶっちゃけ、作例の写真を見ているだけでは分からない。ある意味では、超絶ディテールの方が、考証に詳しくない人間からすると分かりやすいアプローチなんだろうな。あと、マストを真鍮線なんかに交換すると、だんだん他の部分もディテールアップしたくなるだろうから、そのあたりをどう抑えるかの理性も大事そうだな。
 一方で、考証や日本の駆逐艦発展の歴史への言及が多いのだが、これがおもしろいと思った。特型以降の日本駆逐艦は、秋月型松型までほとんど似たような感じとか思っていたけど、こうやって見ていくと設計思想の変遷なんかも見えて、興味が出てくる。
 県立図書館に珍しく模型本が入っていたので借りてみたが、自分で買ってもよさそうな本。