書評:昭和戦前期の政党政治 二大政党制はなぜ挫折したのか [著]筒井清忠 - 中島岳志(北海道大学准教授・南アジア地域研究、政治思想史) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

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 目先の利益で使ってはいけない裏技を使う人間がいるから、制度や法律のセキュリティホールはふさいでおいた方がいいんだよな。そこから、国全体が壊れることがある。ねえ、自民党さん。憲法案の軍隊関係・非常事態関係はもっと厳格に文民統制のシステムを入れておいた方がいい。

天皇の政治シンボルとしての有効性に気づいた政治関係者は、同様の手法を繰り返した。しかし、これは政党人にとって、自殺行為だった。二大政党の相互バッシングは、政党政治そのものへの不信を敷衍(ふえん)し、超国家主義者による暴力に正当性を与えた。