日本の主食は本当に米なのか その1 - バッタもん日記

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 摂取カロリーに占める米の割合って、それほど高くなかった可能性は高いんだよな。比較的最近まで、塩分摂取過剰による高血圧とかが問題だったわけで「伝統食」だから健康に良いとは限らない。バランスの良い食事になった結果、米の消費量が減るというのはそれほど悪いことではないと思う。
 あと、日本の稲作の問題は消費量の問題もあるけど、戦後の一時期に増産のために過剰投資を行ったつけもあるんじゃないかなと思っている。設備に投資した結果として、高コストになっている側面はあるんじゃなかろうか。
 歴史を振り返ると米というのは、まず第一に「換金作物」だったということをもっと重視すべきだと思う。江戸中期以降は、人口増加や流通の整備、都市の発展などによって需要が増大した。それに対応するため、肥後藩あたりでも盛んに用水や干拓などによる新田開発が行われた。おそらく明治の前半あたりまではそのトレンドが続いたんじゃなかろうか。このあたり、調べていないからよく分からないが。しかし、日本の勢力の朝鮮半島や台湾に進出によって、外地からの米の輸入が行われるようになり、米価は下落のトレンドをとるようになる。戦前の「農村の荒廃」ってのは、このような背景があるという。しかし、第二次世界大戦の結果、海外からの供給を閉ざされ、政策も国内自給の方向に転じた。そのため、国内での米の供給は不足気味になり、米価は高騰、増産計画が次々と行われた。しかし、国外からの圧力などによる貿易の自由化、需要の減少によって再び米価低落のトレンドに入っている。こうして考えると、戦後の一時期の政策がネックになっているんだよなあ。基本的に近代に入ってからは米価下落のトレンドが続いていたわけで、むしろ戦後が異常な時代と見える。基本的に、日本社会ってのは昭和10年代から60年代をすっとばすと、結構シームレスに繋がっているように見えるんだよな。