兎月竜之介『ニーナとうさぎと魔法の戦車』

ニーナとうさぎと魔法の戦車 (集英社スーパーダッシュ文庫)

ニーナとうさぎと魔法の戦車 (集英社スーパーダッシュ文庫)

 スーパーダッシュ文庫の読もうと思っていたシリーズ、その1。半年ほど積みっぱなしだったような。
 戦災孤児のニーナが私立戦車隊のラビッツに拾われて成長していく話といった感じかな。とりあえず、ニーナがけなげかわいい。
 世界観もいいね。魔法を動力とする世界。長い戦争が「魔力爆弾」によって魔動兵器が止まったことによってうやむやに終わったなか、放置された魔動兵器が勝手に動き出し、野良戦車として人間を襲うようになった。それを私設の戦車隊が迎え撃つと。戦争でボロボロになった社会も描かれるけど。
 しかしまあ世界観についてまじめに考えだすと、すごく難しそうだな。基本的に女性のみが魔力を持つ世界だと、動力機械の駆動を一手に担う女性の社会的地位が高そうだなあと。というか、男性の居場所なくねえ? そういう世界でジェンダーはどういう風に組織されるのか。