川上稔『Forthシリーズ:連射王(上)』

 「本気」がわからない主人公が、シューティングゲームをつうじて、「本気」というものを体感しようとする青春小説とでも言えばいいのかな。正直、もう「青春小説」というものを体が必要としていないのかねと思ってしまった。読むのにも時間がかかっている。結局3日ほど。
 勝負にのめり込めない野球への態度、幼馴染との関係、ゲーセンでワンコインクリアを見たところから始めたシューティングゲームといった様々な日常のことどもと心の動きが描かれる。しかしまあ、「人間関係」の優先順位を一番下に回したのはまずいよなあ。長く続くからこそ、日常のケアが大事というか。まあ、人間関係を維持するのがつらいと引きこもっているアスペルガーに言えた話ではないか。
 上巻で、当面の課題である「大連射」をクリアして、かつ幼馴染と気まずくなるという展開になるわけだが、下巻はここからどう展開していくのだろうか。