笹本祐一『彗星狩り 上:星のパイロット2』

 朝日ノベルズから新装版が出たので購入。前の巻では、加筆修正がかなりなされていたけど、本書はあまり修正されていないように見える。ソノラマ文庫版と比較したわけじゃないけど。
 彗星を捕獲して、地球軌道に安定させ、軌道上で大量の水資源を確保しようとする計画。その会社が破産、債権の回収手段として、エントリーフィーを支払い最初に彗星にたどりついた企業に彗星の権利が渡ることになった。地球軌道上では、地球圏外への長距離宇宙船が大量に準備されることになり、てんやわんやに。零細企業であるスペース・プランニングもその競争に参加することになってと言う展開。現在の延長線上にある技術しつつ、弱小会社が地球圏の外まで航行する長距離宇宙船をでっちあげ、競争相手と駆け引きする様が楽しい作品。
 このシリーズでも、本書がいちばんおもしろいと思う。