愛染猫太郎『塔京ソウルウィザーズ』

 おもしろかった。こういうサイバーパンクっぽい、オカルトバトル物は大好物です。「大神災」で現世と冥界の境界が壊れ、死者の魂を源に魔術を使うソウル・ウィザーズが社会を支配する世界。それ以前の歴史は失われているが、外観が一部だけ修復されている。そんな世界で行われる魔術バトルがかっこいい。
 正直、中盤のアキバ魔法街での真央の装備を買い整えるあたりは少々中だるみ感があった。しかし、そのあと、ブリュンヒルデと一将の喧嘩とその後の大蛇丸との戦いが熱い。一将とブリュンンヒルデの関係、そして、真央に動物霊を融合した理由から、戦いの駆け引きと、楽しく読めた。
 しかし、この話の最大の魅力は犬耳の戦乙女とネコミミメイドのダブルヒロインだよなあ。ブリュンヒルデが結局はメインヒロインということになるのだろうけど。挿絵がこれまた魅力的で。基本的に犬耳や猫耳に感じるものはないくちなのだが、これはありだと思います。