「東野先生旧宅碑」

 元田永孚が、明治政府に出仕するまえに隠棲していた居宅を記念した石碑。『熊本市文化財調査報告書』の情報をもとに探しだした石碑。NTT病院の裏にある駐車場の敷地の端、二の井手沿いに建っている石碑。そもそも、このNTT病院の裏を通ったことがなかったわ。前もって情報を仕込んでいないと、絶対に遭遇しなかった石碑だな。ちなみに、昭和50年前後には、ここは看護婦寮だったそうで、その時代だったらものすごく敷居が高かったろうな…
 1940年に皇紀2600年と教育勅語50周年を記念して建てられたようだ。その時点では、宅地と庭園が旧状を維持していたようだ。その後、このあたり病院が並んだわけだが。




石碑正面

東野先生旧宅碑


元田東野先生は学徳倶に高く夙に細川侯に仕へ明
治維新に値ひて大江に退隠せられたり後入京し宮
中に仕へ侍読侍講宮中顧問官枢密顧問官等に歴任
し至誠一貫君徳の涵養に力め枢機に参与する事殆
んど二十年遂に男爵の栄寵に膺られたるは天下の
周く知る所なり其の大江の旧宅は依然として竹樹
屋を繞り先生在世の時の如し今茲紀元二千六百年
正に教育勅語渙発の五十年に当り此地に住する者
先生を追慕し相共に碑を立て旧宅を記念し子弟の
文教に資せんとするなり
昭和十五年十月三十日    西大江隣保一同



石碑右面

紀元二千六百年記念



石碑裏側

 大江総代 山戸貞治
同  会計 松島吾郎
同第一組長 山本 繁
同第二組長 塚本一平
同第三組長 前田芳男
同第四組長 酒井睦男
同第五組長 戸田善三郎