富山大学・伊藤智樹の書評ブログ : 『エッチのまわりにあるもの――保健室の社会学』すぎむらなおみ(解放出版社)

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 「性」に関わる問題って、本当にクリアカットしにくいんだよな。人間がかかわる問題全般がそんなものだと言えるかもしれないが。
 援助交際と承認欲求の問題、セクハラとホモソーシャルな人間関係の問題。ここでは援助交際をやっている子たちはなんとか出口にたどりついたわけだが、取り返しようのない傷を負う可能性は高いわけだしなあ。
 「生徒から性的なニュアンスを消し去ろうとする学校文化」といういい方が興味深い。つーか、学校だけに留まらない問題のような気がするな、この「性的なニュアンスを消し去ろうとする」ってのは。