手島史詞『かくて滅びた幻想楽園』

 「神獣」に統治され豊かで平穏な生活が営まれる世界。しかし、神獣の統治に疑問を抱けば、あっという間に抹殺されてしまう世界。その支配に反抗する人々の組織、ウーロニクスに属する「盗賊」戦部リューは、都市メルカートルの施設に突入し、捕えられていた少女を連れ出す。「黄金郷」を目指す人々をめぐる話。
 全体としては、ちょっと窮屈な感じがあるかな。リューとクレアーレの関係の深まりなんかが、ちょっとバタバタと話が展開して、物足りない感が。あと、後半、バタバタと人が死んでいくあたりは、圧巻だな。神と人間の戦い。
 今回は「黄金郷」を目指す話で、次は創造主に挑んでいくのか。