瀬尾つかさ『銀閃の戦乙女と封門の姫 3』

銀閃の戦乙女と封門の姫3 (一迅社文庫)

銀閃の戦乙女と封門の姫3 (一迅社文庫)

 そろそろ、話が進んできたな。カイトは、子孫の軍事的利用を防ぐためにも、地球とクァント=タンの両方に国土を持つ国家の設立を志す。このあたり、『魔導書』シリーズにも、つながるテーマだな。あとは、ゼノの出現で『放課後ランダムダンジョン』とも接続しそう。
 今回は水中ダンジョン攻略。前巻のクーデター騒ぎの解決の恩賞で、シャーロットは複数のダンジョンの管理権を得る。その一つ、湖底のダンジョンを探索にかかるが、そのダンジョンには先住者がいてといった展開。クァント=タンの人間が基本的に泳げないというのがおもしろい設定だな。いつもは態度のでかいソーニャが、怖がりまくるのが楽しい。おかげで、カイトと梨花しか戦力にならないという。ダンジョンの偵察のはずが、人間種からの安全を求めて移住した小人族とロックフロッグに遭遇し、彼らを助けてボスと戦う展開。
 物語的には、カイトがソーニャとフレイに向き合う決意を固めたという転換点といった感じか。自分からフレイにキスするとは。次は国と向き合う展開になるのかな。あとは、世界の危機が迫ると。
 ハーレム展開だけど、メインはフレイと梨花だな。シャーロッテの存在がでかくなっている感もあるが。