川口士『星図詠のリーナ 3』

星図詠のリーナ〈3〉 (一迅社文庫)

星図詠のリーナ〈3〉 (一迅社文庫)

 腐海の底からラノベ召喚、その10。
 シリーズラスト。今回は父王からの命令で、海洋国家ビクラード王国の海図作成技術を学びに行くことに。パルヴィ姉さまの前で委縮しまくりのリーナがなんとも。スタートから宮廷で宴会が続くあたりが、すごくもっさりしているのが最大の欠点か。リーナは外をうろちょろしてナンボって感じだな。
 第三王子を罠にかけて、海図制作の研修に出ることをビクラード王に承諾させ、海に。このあたりから話が動き出す。航海を続けるうちに海賊の船団に襲撃され、さらに「幽霊船」が襲撃してきて、リーナ達一行は海に投げ出される。「幽霊船」が竜の骨で出来たもので、年老いた竜の封印を解き、宇宙空間で最期を迎えさせるために星図詠を探すためだったことが明らかになる。
 幽霊船に乗ってついた島でリーナは竜の封印を解く一方、パルヴィたちは補給のためにやってきた海賊たちと戦い、頭領を倒すことに成功する。リーナとパルヴィの得意分野の違いがおもしろい。
 竜の最期で見せられるイメージが素晴らしいだけに、ここでおしまいなのが残念なところ。続きが出ないかな。