青木幹治『抱きしめなさいっ!』

 エロマンガでは、この人の作品は作者買い。ちょっと変わった女の子とのコミカルなやり取りが魅力の作品。
 表題作から3本は、同じ登場人物が引き継がれる連作。自分が「学校のアイドル」であることを自覚している女の子。そのプライドが平凡な学生である彼氏相手に、正直に自分を伝えることを邪魔する。で、全国模試でトップを取ってつりあう男子がいなくなったからとやっと告白。不器用振りがほほえましい。釣り合わないとかいいながら、態度ではデレデレのツンデレぶりがいい。
 他に、幼馴染が自分の部屋で自慰行為をやっているところに遭遇するところから始まる「夢にまで見た」、図書委員で同じ当番の女の子が「胸を大きくするにはもむのがいいから」と迫ってくる「さそって柏木さん」あたりが好み。
 あと、元ヒーローの夫と元悪の組織の女幹部の妻の夫婦の「劇的な夫婦」が笑える。