佐滝剛弘『日本のシルクロード:富岡製糸場と絹産業遺産群』

 「富岡製糸場と絹産業遺産群」が世界遺産推薦の暫定リスト入りした事に合わせて出版された本。急激に縮小しつつある絹産業の現存する遺産を、群馬県を中心に、あちらこちら訪れて、紹介している。余裕があれば、グーグルのストリートビューで見てみたいところだが、体調的にちょっと無理っぽいので、他日を期す。
 富岡製糸場を手始めに、養蚕農家、蚕種生産、民営製糸工場、絹と関係が深かった鉄道、絹織物、輸出拠点など、現在も残る絹産業に関わる遺産が紹介されている。諏訪湖畔の岡谷や愛知県の豊橋といった製糸業が盛んだった都市、絹織物の都桐生などが興味深い。桐生には織物業に使われたのこぎり屋根の工場が多数残っているそうで。一度訪れてみたい。
 絹織物の全体に目配りした、探訪ガイドブックになっていると思う。