田中ロミオ『人類は衰退しました 9』

人類は衰退しました 9 (ガガガ文庫)

　なんかよく分からんけど、おもしろかった。なんとも波乱万丈というか、ラストの世界の「真実」の広がり方というか。いろいろな「存在」とコミュニケート可能と。
　前巻で月で遭難し、死亡扱いとされたおじいさんを迎えに、月に突撃する私ちゃん。仮想空間で妖精さんの検索装置経由で月のシステムに憑依。一方、体の方は妖精さんに操られてゴルゴモードで軌道エレベータを修理。軌道エレベータを使って月にたどり着くことには成功するも、トラブルの連続。おじいさんはよく分からない世界へ行ってしまうし。最終的には地球から救出隊がやってくる。
　よく分からないけど、妖精さんや機械みたいな「心」をもった存在がたくさんいて、それらも含めて地球をメルヘンチックな世界にしていると。で、人間にはそれが見えなくなっていると。調停官とは、人間とそれら心を持った存在の間を取り持つ存在ということか。
　メインはこれにて完結だが、短編が続くそうで。