瀬尾つかさ『聖煉の剣姫と堕ちた竜の帝国』

聖煉の剣姫と墜ちた竜の帝国 (一迅社文庫)

聖煉の剣姫と墜ちた竜の帝国 (一迅社文庫)

 購入、即読了。今回は、完全に導入という感じだったな。
 60年ごとに「魔王」が攻め寄せ、それに対し竜と人間の連合軍が対抗している世界。しかし、60年前は魔王が侵攻してこず、その間に竜の帝国は滅亡し、人間の国家も互いに争って力を失っていった。城塞都市タブルの郊外に館を構えるグレイ・ラプトンは、その地の最高の狩人として、森に棲む魔物などを狩って生計を立てていた。そこに妹のフィーナが行方不明になり、しかも各地で破壊活動を行っているという話が、彼女の友人によってもたらされ…
 定期的に侵攻してくる敵が、いつもと違うリズムで動くというのは、パーンの竜騎士の冒頭を思い起こさせる展開。主人公は竜と人間のハーフということで、『調停少女サファイア』のエオンと比べると、一段劣る感じか。あと、瀬尾作品の主人公、最近変態がおおいな。今度は、重度のシスコンですか。なかなかきもいw
 60年前に、対抗勢力の自壊を待つべく体を6つに分断し、封印させた魔王とどう戦うのか。そして、新たにやってきた魔王はどのように動くのか。竜の帝国はなぜ崩壊したのか。グレイとフィーナの母親は、どのような経緯で人間と結ばれたのか。いろいろと謎が尽きない展開ですな。