- 作者: 内田宗治
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2013/04/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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江戸開府にともなう神田川の付け替えや江戸城の堀の水源の話。神田川北の崖上に営まれた椿山荘などの権力者の屋敷、山の手の丘陵と谷が織り成す複雑な地形と丘陵の上下で異なる町並みの話、渋谷川や石神井川など川の変化、玉川上水や三田用水など江戸の水道がいかに地形を利用しているか、そしてその変遷など。
千鳥が淵で谷をせき止めてそこに流れこむ水を堀の水源にしたり、堀の標高が相当違うって話がおもしろかった。あと、けっこう東京の中心部まで、海水が遡上してくるんだな。不忍池の方向に流れていた石神井川が王子駅あたりで丘陵を突き破り、結果藍染川が取り残されたり、滝野川の渓谷が侵食されたりという話。玉川上水がいかに地形を利用しているかとか。取水地から段丘上まで同じ標高の場所を結んで水を通し、段丘崖を登っていくような水路を作った話とか。
あとは、弁慶濠が決壊したらどうなるかとか、古川にダムを作ってみるとか、地形シミュレーションの話もおもしろい。