本日のメモ

[地学]【研究室】研究室に行ってみた。大阪市立自然史博物館 地史研究室 古脊椎動物学 林昭次 | ナショナル ジオグラフィック(NATIONAL GEOGRAPHIC) 日本版公式サイト

 恐竜などの化石を切断し、骨の組織構造から、成長や生態、身体の機能を明らかにするボーン・ヒストロジー研究者へのインタビュー。想像以上に、いろいろなことが判るんだな。先日見た、御船恐竜博物館のモンゴルの化石の展示でも、薄片を採取していたから、それなりに普及していることは知っていたが、ここまで判るんだ。あと、大阪市立自然史博物館では、けっこう活発な研究活動が行われているんだなとか。橋下市政のもとでも、継続できているんだ。
 林氏は、さまざまなステゴザウルスの標本を切断し、比較することで、成長と背板や尻尾のスパイクの機能を明らかにしている。ステゴザウルスの背板などの機能に関しては、かなり明確に決着がついていたんだな。背板には複雑に血管が張り巡らされている一方、組織がもろくて、防御用としては使い物にならないと。ワニとの比較から、放熱用だと結論している。また、多くの標本の比較から、ステゴザウルスはある時期に急激に成長し、同時に背板も急速に拡大する。体温調節の機能と同時に、性的ディスプレイの機能もあるのではないかとのこと。スパイクも年齢とともに、変化し、もろい構造から頑丈な構造に変化するそうで。年齢とともに、身体が変化していくさまも判ってくるんだな。
 ボーン・ヒストロジーの知識も興味深いな。脊椎動物は、哺乳類も含め、しかも温帯熱帯問わず、骨に成長の状況が年輪状に記録される。記載と形態の研究から、研究の蓄積につれて、内部構造へ興味が移るというのは、たしかにそうかもな。まとまって見つかるものなら、その心理的障壁は小さくなる。ティラノサウルスは成長するのに20年ほど。これはワニの成長より早くて、象に近いとか。マイアサウラ竜脚類はもっと早かったというのもすごい。11年で20メートルに成長とか、早すぎてビビる。あと、最後の模式標本を切るべきだというのも興味深い。確かに、模式標本を使えば、これは別種の化石だとかの議論は発生し得ない。
 ステゴザウルスで培ったボーン・ヒストロジーの手法をデスモスチルスなどに応用した話も非常に興味深い。現生生物の骨の構造と生態を統計的に分析。沿岸や淡水に生息する哺乳類は、骨が緻密で重い。一方、クジラなどの遠洋に適応した哺乳類はスポンジ状で軽い。骨の面からも、生態の違いが析出できることが明らかになった。で、その知見を元にデスモスチルスなどの束柱類を分析すると、デスモスチルスのみが遠洋型で、他の種類は沿岸型という違いが検出できたそうだ。特に泳ぎが得意そうに見えないデスモスチルスが、どうして遠洋型の骨の構造をしているのか。遠洋で生活していたのか、沿岸に生息していたが軽いほうが有利な生態をしていたのか。謎が謎を呼んで、おもしろい。今後は、首長竜を比較して、恒温性がどのように獲得されたかを追跡したいという。
 そういえば、薄片の作り方の写真を見て気になったこと。プロだと、研磨機なんてあるんだ。手でやるのはやったことあるけど。あと、カバーガラスを付けるのがどうしてもできなくてなあ。

[環境]ヒトと動物の「ヤバい関係」と「やさしい関係」――自然保護とは何か / SYNAPSE Lab. | SYNODOS -シノドス-

 つい最近まで、人間と動物って共同でいろいろやっていたんだよな。それが、50年くらいで、人間社会は機械主体になって、生物との関係が希薄になった。あと、現在の都市は大量の人間が生活する向けにチューニングされてしまっているという側面も。
 人間と環境の関係を考えた時に、「やさしさ」とは何か。
 道路を建設した時に他の生物にどう配慮するか。動物を食べるということ。ペットショップの問題。現在のペットショップのあり方はちょっと異様だよなあ。無用の殺生を生んでいると。人間が、もともとのあり方から遠くかけ離れてしまったこと。
 しかし、「環境保全」といったとき、「本来のバランス」というのが、難しいのではなかろうか。外来種問題なんかに顕著なんだけど、不可逆の変化を被った状況に、どう対応するか。今までは生態系内あるいは経済活動によって行われてきた環境の遷移を、自覚的に再現する必要がある時代が来たというのは確かだが。


 高槻成紀『動物を守りたい君へ』(岩波ジュニア新書)ね。メモ。

動物を守りたい君へ (岩波ジュニア新書)

動物を守りたい君へ (岩波ジュニア新書)


[軍事]p主軍オタの雑記。 第一戦車隊と歩兵学校戦車隊に支給される装備品たち

 大正14年の戦車部隊装備。ホイペット戦車にルノーFT-17。で、火器は日本製狙撃砲や機関銃を改造したものをのっけていると。へえ、アジア歴史資料センターでは、こういう文書も公開されているのか。

ササニシキはなぜ消えたのか?|食の安全|JBpress

 冷害やいもち病に弱くて、収穫が天候に左右されること。さらに、あっさりとしたササニシキよりも、粘りの強いコシヒカリが好まれるようになった、味の好みの変化などで、ササニシキの作付面積が激減したと。
 さまざまな新品種が生み出され、加工に適した「新形質米」なども出ていると。いろいろな品種を味わってみるとおもしろいよってことか。
 熊本だと、「森のくまさん」が目立つ印象。

北海道新幹線、海の上をプカプカ移動 神戸から函館へゆっくり北上中 - ねとらぼ

 艀で搬出して、貨物船に載せ換えか。なかなか手間がかかっているな。

懲戒解雇を悪用した人員整理、中小企業で横行?事件を捏造、敗訴でも賃金支払わず | ビジネスジャーナル

 こういうの、ガンガン逮捕できるようにするべき。つーか、司法が紛争解決に全然機能してないじゃん…