書評メモ

[本]名取「閖上」の記憶一冊に みやぎ民話の会 | 河北新報オンラインニュース

 切ない…
 名取川河口地域は、慶長の地震の時にも津波を受けたはずだけど、そのときはどういう状況だったのか。津波の危険があるといっても、海岸はそれなりに便利な場所だしなあ。

[本]書評 「渇きの考古学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

 メモ。さまざまな文明の水利システムを、考古学者の観点から見ていくと。レバント、メソポタミアギリシア・ローマ、中国、カンボジア、そしてアメリカの諸文明。アンコールワットの水利システムはおもしろいよなあ。あと、マチュピチュの水道は今でも機能しているとか。

[本]『海賊たちの黄金時代』 マーカス・レディカー著 評・松木武彦(考古学者・国立歴史民俗博物館教授) : 本よみうり堂 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 普通の船員の世界が、非常に差別と搾取に満ちていたってのは、『海賊ユートピア』でも指摘されているな。で、反体制の海賊の世界では、非常に平等主義になると。
 個人的には、カリブ海の海賊よりも、地中海やバルト海あたりの私掠船の方がおもしろそうだけど。

[本]古典注釈入門 - 閑山子余録 - Yahoo!ブログ

 「テクストを表からも裏からも読み込み、過不足なく解析すること」か。機会があったら読む。

[本]『秀吉の対外戦争』 - どんな懐かしさをおぼえるとしても

 秀吉の朝鮮出兵をめぐる、日本国内の言説を扱った論文集だそうで。防御の論理は、折りにふれて出てくるだろうな。
 つーか、国学やら皇国史観そのものが、江戸時代後期に出現したカルト宗教みたいなものだしな…

[本]中立国スイスはどうやって第二次世界大戦を回避したか? 読んだ本:「将軍アンリ・ギザン」 - リアリズムと防衛ブログ

 周り中を枢軸側に囲まれてしまうんだから、つらい展開だよな。隠れて、いろいろ枢軸側に便宜を計ったようだけど。
 国際連盟に早々に見切りをつけて独自の中立路線を選んだとか、スイス版玉砕命令とか、要塞線とか。小国で後が無いだけに、厳しい。実際に侵攻すれば、ものすごく手間がかかるというのを見せ付けたのも大きいんだろうけど。戦略価値に比べて、ものすごく高くつくと見せ付ける。
 峻険な山岳という、地理的条件がこういう戦略を可能にしたって側面は大きいと思うが。どこの国でも応用できる話ではない。まあ、スウェーデンなんかも、重武装中立主義なわけで、非武装中立はあまり現実ではないというのも確かなんだけど。

[本]江戸時代の司馬遼太郎:『近世刊行軍書論』 : 日本の古本屋メールマガジン

 近世に刊行された軍書が、その雑種性や啓蒙性から広く読まれたこと。社会に流布する「歴史観」の材料として、読み物の重要性。司馬遼太郎と比較するのがおもしろいな。

[本]『災害とレジリエンス』 トム・ウッテン著 評・開沼博(社会学者・福島大特任研究員) : 本よみうり堂 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

 住民自身による再建の努力か。保険の支払いが満足に行われないって、ダメじゃん…

[本]『鈴木書店の成長と衰退』を読んで取次のことを考える(上) - 空想書店 書肆紅屋

 人文書の専門取次会社だった鈴木書店の話。小回りが利いて便利だったとか、取次の金融機能、大学生協の開拓など。新刊の売上比率が高まったことが、取次の利益率低下の原因と。既刊は書店を行ったりきたりしているうちに在庫が減っていくが、新刊は非常に返品率が高い。屋台骨だった岩波の既刊の売上が減ったことで衰退していったと。

[本]2014年夏の成果―第二次大戦のプロパガンダ研究書/山本武利 - 筑摩書房 PR誌ちくま

 『国策通信社同盟の興亡――通信記者と戦争』と『プロパガンダ・ラジオ――日米電波戦争 幻の録音テープ』。

[本]言論抑圧―矢内原事件の構図 - Uehara-monologue

 言論空間以下、さまざまな要因が関わっていると。愛国心、大学の自治言論の自由か。
 しかしまあ、学者の主張を権力で抑圧するような権力は、やはり長くは持たないんだな。その程度でゆらぐような政体は話にならんと。正面からやりあうくらいではなくては。「時局」で思考停止した結果が、どうだったか。
 「どのような言論人が表舞台から消えていったか、どのような見解をメディアで目にすることがなくなったかについて、把握すること」か。
 学問自体が、明快なディシプリンを語れなくなったからなあ。

[本]2014.10.16 印度洋一郎氏、「聞き書き日本人捕虜」読了後の随想を呟く - Togetterまとめ

 なんというか…
 戦陣訓の話とかもう。日中戦争の長期化で荒れる日本軍。それをいさめる目的で作られたのが戦陣訓だが、役所言葉でワケワカメ文書にされた挙句、唯一具体的だった捕虜になってはならないだけが強調されてしまったと。まあ、平易な言葉で作っても、意味があったとは思わないが。
 あとは、本土の捕虜収容所の話。待遇には気をつけられていたが、物資の横領や現場での軋轢、そもそも物資の欠乏などなど、問題は山積みだったと。

[本]ドンガメ六号氏による『浮浪児1945‐: 戦争が生んだ子供たち』書評 - Togetterまとめ

 まあ、戦争でこさえた借金を、インフレで帳消しにとか、出だしからエグいからなあ、日本国。90年代も切り捨てに走っているし。
 つーか、孤児に対するしわ寄せ酷すぎる。戦災孤児から最終的にホームレスみたいな経歴の人多かったんじゃなかろうか。農村でだまされて奴隷労働とか、今の技能実習生と変わらん世界だな。

[本]私的まとめ 下呂子さんの朝鮮戦争航空戦本メモ - Togetterまとめ

 うーん、欲しい…
 中国軍の牛馬や人間による輸送は、隠れやすかったとか。低空攻撃にワイヤーを張って対抗とか。ベッドチェックチャーリーの有効性。サーチライトを廃棄って。