- 作者: 藤岡換太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/10/21
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (2件) を見る
第一部は、川が織り成す不思議な姿を13種類紹介、第二部は多摩川を源流から下流までたどる、第三部はさまざまな仮説の話。
第一部は川の不思議いろいろ。チベット高原周辺の川の話が多い。まあ、インドプレートが突入して、大規模な変動が起きているのだから当然か。長江、メコン川、タンルウィン川の三つの川が上流部で接近している姿やヒマラヤ山脈を貫通する川など、ヒマラヤの造山運動が引き起こす不思議な姿。ヒマラヤ山脈ができる前から存在して、隆起した山を削って、いまだにヒマラヤ山脈を貫通して流れる川ってすごいな。
あと、流路に与えるプレート境界や断層の影響の大きさ。黄河や長江が、もともと一つの大陸だった「地塊」に進路を遮られて、南や北へ屈曲している状況や中央構造線を流れる川、あるいは伊豆半島などの付加体の境界を流れる多摩川や相模川。柿沢川のような断層によって曲げられた川など。
他に河岸段丘や天井川、海底の川、水以外のものや地球外の川などが紹介される。
第二部は、多摩川を源流から河口まで追っかける話。
面としての源流域。流路と断層。上流と中流、下流の区別。中流域の扇状地、下流のデルタなどなど。実例をもって語られるが、私は多摩川はぜんぜん土地勘がないからなあ…
最後は、いろいろと、大陸移動前の河川の姿を想像した仮説。天竜川が、日本列島形成以前には、信濃川、ウスリー川とつながった大河だったのではないか。あるいは、パンゲアの時代には、ニジェール川とアマゾン川がつながり、太平洋側に流れ出していたのではないか。なんというか、壮大すぎる話だ。