斎藤岬『死神探偵シリーズ1:死神探偵と憂鬱温泉』

 整理中に発掘した本。なかなか続巻が出なくて、腐海の深層に沈んでいた本。検索かけてみると、一応完結しているそうなのでそれを入手してから、改めて待遇を検討の予定。読み直すとおもしろい。
 行く先々で事件に遭遇するため「死神」と呼ばれる探偵、鹿神孝が、出先で事件に遭遇する短編二編。それに、関東大震災後の大正末から昭和初めにかけて、華族の四男坊が道楽で探偵をやっている「華族探偵」シリーズ一編からなる短編集。
 行く先々で事件に遭遇するのがトラウマになっていて、出かけるのを嫌がる探偵ってのも、ものすごくメタな感じだな。「死神探偵と憂鬱温泉」は、回りに押されて旅行に出かけた宿で、さっそく殺人事件に遭遇。さらに、吹雪で旅館に閉じ込められて、殺人事件がもう一件発生という展開。「変わらぬ娘」は、わけのわからない遺言の謎解きを依頼された鹿神が、豪邸の中を探索する。離れのアトリエには、誰か分からない女性の絵がたくさんあり。豪邸の離れって、いいねえ。
 華族探偵は、道楽で探偵をやっている四男坊と、その周囲の人々の話。婚約者?の濱子がストーキングされていて、誰か突き止めることに。犯人が自分から出てきて、謎解きはあってないようなものだけど。使用人のお千代ちゃんが、ひたすら目立ちまくっている感が。みつあみお手伝いさんかわいいです。そうか、何か違和感があると思ったら、メイドさんと違って、ヘッドドレスがないのか。