平坂寛『外来魚のレシピ:捕って、さばいて、食ってみた』

外来魚のレシピ: 捕って、さばいて、食ってみた

外来魚のレシピ: 捕って、さばいて、食ってみた

 デイリーポータルZに掲載された記事に、書き下ろしを二編加えて書籍化されたもの。副題の通り、外来種の淡水生物を捕獲、料理して、食べてみた体験記録。サクサクと楽しく読める一冊。フライ最強説。たいがいの魚は、料理法にさえ留意すれば、普通に食えると。むしろ、貝類の方がやっかいな感じだな。あと、カメの解体は大変そうだ。
 食用に導入されたブラックバスアメリカナマズあたりは、普通に食べられそうな感じだな。一方で、海から美味しい魚が捕れる環境で、わざわざ苦労して淡水魚を食用にする必要性も微妙ではあるよなあ。まあ、ブラックバスなんかは、漁獲して、買い取って、冷凍の白身魚フライかなんかにすれば、普通に売れそうだけど。加工と流通はどっかの食品会社に委託して。むしろ、特にこいつを食べる必要性がと言われるブルーギルの方がやっかいそう。
 ソウギョとか、ハクレンって、関東以外には生息してるのだろうか。むしろ、関東の河川が外来魚天国だったりして。あと、沖縄は気候が温暖なだけに、様々な南方系の魚が越冬して、定着してしまっているというのが恐ろしいな。著者が大学時代をすごしただけに、生息状況に詳しいというのもあるのだろうけど、わりと沖縄で捕った魚が多いのが印象的。
 プレコやアリゲーターガーのような、装甲が強い系魚類はおもしろいな。もう、鎧の外から火を通してしまえ作戦が有効なのか。アリゲーターガーは、江津湖あたりでも捕まえたって報告があるしな。
 タウナギやウォーキングキャットフィッシュのような、空気呼吸に頼る系統の魚類が、肉が赤いのは、ヘモグロビンが関係あるのかね。