海防艦―日本の護衛専用艦は有効な兵器となりえたか (光人社NF文庫)
- 作者: 大内建二
- 出版社/メーカー: 潮書房光人社
- 発売日: 2015/04/30
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (2件) を見る
最初の占守型は、北方で運用するために、わりと贅沢に作られていたこと。それが、戦争が始まってからの急速建造の障害になってしまったという。結局、後から建造が始まった丙型、丁型より就役が遅くなった鵜来型とか、泣けるな。
しかしまあ、海防艦の戦いを見ていると、護衛艦艇が返り討ちになりまくっていて、泣けてくるな。米潜水艦が撃沈した海防艦の数と、海防艦が撃沈した潜水艦の数の差が。結局、ソナーの探知能力が劣っていた、さらに機材の運用能力の欠如なんだろうけど。その中で、1隻撃沈、1隻大破の戦果を挙げた22号は特筆される。
あと、護衛についた特設空母が次々と沈められているのがなあ。昼間は航空機の活動で、跳梁を抑えられるが、夜になって航空機の有効性が下がると、好餌になってしまうと。このあたりも、レーダーによる見張り能力の差が大きいんだろうな。
あと、特攻兵器回天の母艦にして、哨戒艇の役割も兼ね備えた不思議艇、海防艇についてが興味深い。いや、実際に完成しなくて良かったよなあ。のろくさい、木製の小型艇なんか、単なる無駄死にしかならないし。