県道一号線が、峠の茶屋を抜けて、熊本市にむけて細い坂を下る始めるところ。、待避所みたいな感じの場所に建っている石碑。『熊本の文学碑』には「公園」となっているが、とっても公園には見えないな。
石碑正面
石碑裏面
右解説碑
句評 木瓜咲くや漱石杜を守るべく
「杜を守る」とは、漱石がもっとも好んだ言葉であり、
終生もちつづけた生き方の基本である。出所は、陶淵明
の詩の「杜を守りて田園に帰る」か 「老子」の「大功
は杜のごとし」かである。世渡りの下手なことを自覚し
ながら、それをよしとして敢て節を曲げない愚直な生き
方をいう。俗世に媚びて利を求めるのを卑しいとする生
き方でもある。
「浮生六記」(沈復著、岩波文庫)という書を読んで
いたら、守杜の生き方で徹底した人たちの交友の鉄則、
みたいなことが書かれていた。第一は、他人の昇進栄達
について語らぬこと。第二は訴訟問題や時事問題につい
て話さないこと。第三は昇進試験について論じないこと。
第四は賭博をしないこと。そして奨励すべきことは、寛
宏、風流、自由不羈、安静の四つであると。漱石はたし
かにこの四つを守りぬいて生きた。
作家 半藤一利
解説碑裏面
熊本市北迫町三十三
北部工業団地内
有限会社 出野石材工業