熊本築港建築学会賞受賞記念碑

 フェリーターミナルから、駐車場の中を西に向かって歩いている時に遭遇したもの。表に一枚、裏に五枚の金属プレートが埋めこまれている。前は、受賞に関するもの。裏面は、熊本港の建設を可能にした技術の解説。
 ちなみに、碑文については、原文ママなのでよろしく。









石碑正面プレート

受賞対象 熊本港の建設
受賞者  運輸省第四港湾建設局
     熊本県土木部


軟弱干潟に新港
 天啓に抗せず
  自然と共生
   ムルドル以来
    県民百年の夢
     ここに実現
土木技術者 山下博通



裏面プレート

大きな不同沈下に対応する分割式浮基礎工法
 この工法は、建物全体をコンクリート函製の人工地盤上に建設
して、軟弱な粘土の中にあたかも浮かせたようにし、かつ、建物
の基礎を分割し軟弱地盤の不同沈下(場所によって沈下量が異なる)
に対応するものです。
 不同沈下が生じたときは、9ブロックに分割された基礎をジャッ
キアップすることにより修正します。


       開発者
      熊本県土木部

航路埋没防止潜堤
 有明海の沿岸は、泥土や細かい土粒子が波や潮による流れにの
って運ばれ堆積する「シルテーション」と呼ばれる現象がありま
す。
 この工法は水面下に没した逆T字型の潜堤を航路の両側に築くこ
とにより、泥土等の動きを制御し、シルテーションにより航路が
埋没するのを防止するものです。


       開発者
 鶴谷 廣一 林 直樹 鈴木 純夫
  足立 一美 村山伊知郎 他

軟弱地盤着底式防波堤
 熊本港付近の海底には、軟弱な粘土が厚さ約40mも堆積してい
ます。従来の工法ではこの粘土地盤の強度を高めることがことが
必要です。
 この工法は、形状を工夫することにより地盤改良を不要とした
もので、建設コストの大幅な低減と工期の短縮を実現しました。


       開発者
 山田 嘉敬 口田 登 伊藤 秀輝
   細川 泰廣 吉本 靖俊 他

浚渫土砂高濃度空気圧送工法
 この工法は、従来の工法(浚渫土砂を大量の海水で送泥する)と
異なり、圧縮空気を用いて浚渫土砂を水分が少ない軟泥の状態で
埋立地内に送り込むものです。
 これにより、周辺の濁り防止、コストの低減、埋立地の早期使
用が可能になりました。


       開発者
    奥出 律 朝田 實 河野 茂
      中島 博靖  他