「土砂災害回避へ移転促進:県が新補助制度:事業主体は市町村」『熊日新聞』15/4/22

 県は21日、土砂災害の恐れがある区域からの住宅移転を促す新たな補助制度の説明会を熊本市で開き、事業主体となる市町村に協力を求めた。
 県の補助制度は、土砂災害防止法の特別警戒区域や、同区域に相当する急傾斜地などからの住宅の移転が対象。市町村を通じて、新住宅の建設・購入費、リフォーム代、転居経費などの一部を居住者に交付する。
 補助額は1戸当たり最大300万円。元の住宅の除去や県内への移転が条件となる。借入利子を補給する国の制度を併用すると、最大1100万円が利用できる。
 説明会には、38市町村や県地域振興局から約100人が出席。県の担当者が「砂防ダムなどのハード整備には時間がかかるため、移転による住民の安全確保を進めたい」と説明し、住民への周知と制度活用を求めた。
 県土木部によると、県内の土砂災害危険箇所は1万3490ヵ所。このうち7578ヵ所が特別警戒区域に指定されている(1月末現在)。区域内には1万戸以上の人家がある。 (蔵原博康)

熊本県 土砂災害情報マップ TOP
 県内の土砂災害警戒区域等指定状況 - 熊本県


 元の家を撤去して、新しい家を確保するとなると、1100万円でも足りなくね?
 熊本県土砂災害情報マップを見ると、特別警戒区域はあまり住宅にはかかっていない感じだけど。それでも、合わせると、1万戸になるのか。
 熊本市内だと、南北の山地沿いが多いな。特に、京町台地沿いや金峰山の東麓は、都市化が進んでいるため、特別警戒区域の対象になる住宅が多い感じ。あとは、大窪か四方寄あたりの新興住宅地。金峰山の西麓は、土石流の危険性が高いのが印象的。山際の平地に住宅が集まっているだけに、危険度は高い。しかし、海側に移すと、今度は水害の危険が。
 阿蘇カルデラ内の阿蘇谷、南郷谷の周辺は、片っ端から土石流の危険性が高いとなっていて、壮観。人吉盆地も周縁部で土石流の危険性が高いようす。このあたりの地域は、人家が土石流の危険範囲に多くて、対策が必要だろうな。過去からの災害履歴が気になる。阿蘇谷は古くから人が住んでそうだが。場所がないから、背に腹を代えられなかったということか。