書評など

[本]子どもの「食育」は、誰のために行われているのか / 成田崇信 / 管理栄養士  | SYNODOS -シノドス-

 『管理栄養士パパの親子の食育BOOK』の著者による自著紹介的なもの。
 食育において、栄養や健康よりも、伝統や国産食糧品の消費が優先されがちになっていると。
 米飯給食にしても、今や米飯偏重といった状況になりつつあると。米飯だと食塩摂取量が増えるといったデメリット、そして腹持ちがいいとか、いじめがなくなるなどのありもしないメリットの強調などが行なわれている。
 あるいは、親への重圧など。朝食の推奨を通り越して、手作りの強制や和食の強調など、規範の押し付けが見られると。また、「食育」関連の流通する情報の中に、デマが大量に混入している状況など。
 「当たり前」の情報が意外と流通していないと。
 栄養士の世界では、男性が女性のようなペンネームで情報発信するのか。そのあたりのジェンダーバイアスも興味深いな。

[本]「食育は栄養学。道徳だけでなく科学的な視点が必要」〜管理栄養士・成田崇信氏インタビュー〜 (1/2)

 こちらは著者インタビュー。
 結局、ほどほどが大事って事だよなあ。作るほうが無理して、精神的に追いつめられない程度にしようと。
 あとは、食事に道徳を付加しすぎないこと。子供が一人で食べるのは良くないし、同じものを食べ続けるのもある程度は対処する必要があるけれどもと。昔は良かったも幻と。まあ、確かに、「伝統的な食生活」って、ご飯に味噌汁に漬物だから、栄養的にも健康的のもアレ感があるよなあ。
 「○○を食べると体に良い」も上手に利用しながら、それに縛られないと。むしろ、これはダメ系の話が罪作りか。
 あとは、学校や保育園、幼稚園が怪しげな食育情報を拡散している問題。

[本]「ニセ医学」に騙されないために[著 NATROM氏]怖いのは中の人が本気で信じている時 - おうつしかえ

 『「ニセ医学」に騙されないために 』書評。
 弱っているときに、ささやかれたら、コロッといく可能性は高いよなあ。そこに入り込んでくる悪辣さ。
 まったく根拠のないものでも、周囲のスタッフが完全に信じ込んでしまうって怖すぎる。

[本]【読書感想】西郷隆盛伝説の虚実 - 琥珀色の戯言

 手紙などを分析すると、むしろ西郷隆盛は嫌いな人は嫌いとあからさまに表明したり、策謀好きだったりと、「度量」はあまり大きくないのではないかという話。一方で、兵とは、積極的に苦楽を共にし、非常に信頼を得ていたと。また、兵に好かれることを「快事」と思っていた。だからこそ、西南戦争では、積極的ではないが、周りに押される形で指揮官に祭り上げられたと。
 「兵に将たる能力」には富んでいたが、、「将に将たる能力」が足りなかったと。処世下手なところも含めて愛されたか。

[本]読書日記: 読了:増田(2011) 自治体のちょうど良い大きさとはなんぞや

 基礎自治体の適正規模が30-50万って、多すぎじゃね。
 ここで紹介されている論文では、決められないと。基本的には、それほど大きくないほうがいいんじゃないかと思うが。行政機能に関しては、組合とか、いろいろと手法があるだろうし。合併ありきの平成の政策は失敗だったと思うが。

[本]『仕事と家族:日本はなぜ働きづらく、産みにくいのか』 - leeswijzer: boeken annex van dagboek

 日本の「メンバーシップ型労働資格制度」。潜在能力を評価する。いつでも、どこでも、どんなことでも。一方で、これは、女性や外国人の基幹労働力からの排除、ワークライフバランスの悪化、業績評価の主観性をもたらすか。
 一般社員でも、問題解決という高度で抽象的な行動を求められる。だから、コミュニケーション能力が重視される。結果として、外国人や最初からスペシャリストである博士が排除される。
 で、モデルになる国は存在しない。どの対策でも一長一短であるか。
 で、家庭の問題にはいって、ケアワークの問題や家事スキルの家庭内格差の問題など。