川口士『折れた聖剣と帝冠の剣姫 1』

折れた聖剣と帝冠の剣姫(1) (一迅社文庫)

折れた聖剣と帝冠の剣姫(1) (一迅社文庫)

 敵対する二大国。戦場で相見えたカーヴェルのルシード王子とパルミアのファルシェーラ王女は、両国ともに政変が起きた結果、共に帰る場所を失い、逃亡生活を強いられることになる。かつて、人質交換で互いに交流があり、また、王室で微妙な位置にあった二人は、新たな「国」を建てるべく、動き出す。
 聖剣を握るカリスマ王女と悪人顔に見える知将の組み合わせか。
 国境地域で情報集めから、持ち去られた聖剣を得るべく廃都のドラゴン退治。ドラゴン相手に、苦戦するなか、ルシード王子は交渉を持ちかける。このあたりの取り合わせは良いな。
 そして、ドラゴンによって放棄させられた土地を押さえ、新たな国を立ち上げることになったルシードとファル以下の面々だが、しょっぱなから、重い負荷を背負うわけになったのだが、それをどう解決するのだろうな。ガイセスの宮殿にあった財宝よりたくさんの金を、5年以内に集める。普通に考えれば、重税を課す羽目になるわけだが。