瀬尾つかさ『スカイ・ワールド 11』

 とりあえず、満足。
 何となく、終わって欲しくなくて、積んでいた本。これでおしまいか。名残惜しい。まだ、未収録の短編があるから、もっかすると短編集+書き下ろしがワンチャンスくらい…
 第一軌道アイオーンへの扉を阻む最後のガーディアン、アヴリス・ラストガーディアンとの戦い。神秘の座、およびそれと組んだリザードマンの国クネッティが引き起こす戦乱。そして、神秘の座の首領カリムとのラストバトル。地球への帰還、そして、戦乱を避けるために、冒険者が一致団結して、「クエスト」で神秘の座を追いつめていく。
 多数の並行世界の存在とそれらの間の闘争というのは、瀬尾つかさの基本モチーフだよなあ。「ゲートワールド」や「ランダムダンジョン」の世界をはじめ。カリムは、戦乱の中で強いものを生み出すことを目指し、アリスは「楽しむ」ことから強い存在が出ることを望んだか。
 多くの人が地球に戻りつつ、ジュン一行をはじめ、2割くらいの人が、スカイ・ワールドに残る。終わりなき冒険か。いいよなあ。『ナルニア国物語』の最後でもそうだったけど、無限の冒険へ開かれている物語って、こう、ほんとにいい。
 現実的に考えると、生活基盤の構築ができたなら、下手に現代社会に戻るより、いいかもなあとか。金も力も、底上げされるわけだし。


 結局、サクヤは「別人格」なのか。あと、アミリィの登場で一番役割を食われたのって、エリじゃねえとか。ツンデレ、サブリーダーと、割りと属性がかぶるところが。グレイスラッガーが結局、復活したのか、死んだのかも、語られていないところだな。
 「読者の目」がなくなれば、ジュンさんは、エロエロハーレム生活の開幕か。つーか、既に最終巻で、積極的に、キスしまくっているしな。口絵の黒コスチュームなかすみさんがエロいです。つーか、これ、先端が見えているような。