七宝町七宝焼アートヴィレッジ編『特別展:大きいのってスゴイ! 小さいからスゴイ!!』2009

 2009年の特別展の図録。
 七宝は、大きくなると、製作難易度が上がるらしい。七尺(210センチ)の花瓶などが、かつては作られたそうだが、その場合、部分ごとに焼成し、その後継ぎ合わせる必要があるらしい。そこまで行かなくても、大型の器は専用の窯を準備する必要があって、手間がかかったようだ。また、釉薬の反応も、普通の器と違うようだ。
 一方で、小さい作品も、また、難易度が上がる。細密な文様を、描くには、植線の技術と人件費がかかる上に、釉薬をさす過程でも技術が必要になる。
 図版では、大きい器も、小さい器も、それほど差がないように見えてしまう。これは、実物を見に行きたい類の展覧会だったなあ。半分くらいは、清水三年坂美術館蔵のもののようだ。